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文楽

文楽を見た。
時間的な問題で、「菅原伝授手習鑑」は見られず、
後半の「女殺油地獄」のみ鑑賞。
いやー、すごかった。この演目は歌舞伎でもたまに上演されるが、
人形の迫力にはかなわない。
油屋での殺しの場、手当たり次第にものを投げながら逃げるお吉、
白刃を手に追う与兵衛。
油に滑り、外からの風で灯りが消え、暗闇であたかも殺す側と殺される側の
息づかいが聞こえてきそうな迫力だった。
住大夫も語りもすばらしい。

しかし、油の入った桶を投げたりするところ、
人形は3人で遣っているから、非常にタイミングがむずかしいと思うのだが、
そのあたりの人形遣いの人たちのチームワークも非常に見事。
どこかでリズムが狂ったら一巻の終わりだもの。

曽根崎心中にしろ、冥途の飛脚にしろ、近松ものの多くは
やはり人形がいい。