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多忙なのは・・・?

仕事が忙しい〜なんて言いながら、このところ柳家さん喬さんの追っかけ状態。前から大好きな噺家さんではあるが、9月の池袋長講から、中毒のようになってしまっている。

今日は鈴本、小三治さんの代演で「子別れ」。
いやもう、泣いた泣いた。
ここ数週間、さん喬さんにどれだけ泣かされたか。
この人は場の切り替えが絶妙なのと、
なんといっても人情を描くのがうまい。
ひとりの人間を幾重にも描き出し、なおかつ終始一貫、その人の心持ちをきちんと描いて見事きわまりない。
たとえば子別れで、息子が50銭もっているのを知った母親が、人から盗んだものではないかと嘆き、折檻しようとする場面。多くの噺家は、母親をヒステリックに描き出すのが、さん喬さんは深い悲しみをもって母を演じた。そして、最後の最後に、別れた夫と再会、またよりを戻そうというときに、「自分ばっかり好き勝手なことしやがって、ばかやろー」と今までの思いの丈をぶちまける。

それまで必死で耐えてきた母親の心情が一気にあぶり出される。

うまい噺家はたくさんいる。おもしろい噺家もたくさんいる。だが、うまくておもしろくて、なおかつ「人間」を描ききれる噺家はそうはいない。

white gate 2008年10月16日(木)22:38

さん喬さん、たまにウチの市の寄席にいらっしゃいます。
気になってはいたのですが、なかなか行けず。
今度夫にそれいゆを押し付けて(?)行ってこようかな。

落語は、人の人情、面白さ、人間臭さがよく表れているので大好きです。

亀山早苗 2008年10月19日(日)19:31

white gateさん
ぜひぜひ行ってみてください。
現役噺家の中では、最高峰の人だと思います、好き嫌いはあるでしょうけど。
本当に人間を描くのがうまいのです。
ちょうど還暦を迎える年齢ですが、まだまだ勢いはあるし、
非常に人間くさい感じがします。