No.27の記事

歌舞伎はおもしろい

午後から吉祥寺で取材をし(今日は受けるのではなく、する方。慣れているので
するほうが気が楽)、それから銀座へ。
お腹がすいて、天丼「まつや」で季節の冬天丼を。
私、毎季節に一度は、ここの天丼を食べてしまう。安くてうまい。
しかし、大盛りにすればよかったかなあ、とちょっと後悔。大食いだ。
午後3時半くらいの時間帯なのに、店はけっこう混んでいた。
近くにいた男性より早く食べ終わり、そそくさを店を出て、
今度は近くのコーヒーショップへ。もちろんここも180円コーヒー。
のんびり煙草を吹かしてから、いざ歌舞伎座へ。

歌舞伎の夜の部、今月は3本。
「ぢいさんばあさん」「野崎村」「二人椀久」
中でも野崎村は注目。人間国宝がずらり。
いちばん若いのが72歳の田之助、お染めの雀右衛門は84だか5だか。
富十郎、芝翫、鴈治郎はそろって70代半ば。
話は若い男女のことなのに、この年齢。しかし、それでも違和感がないのが
歌舞伎の「芸」の力だろう。
お光の芝翫はとてつもなくかわいかったし。
見るほうも、もちろん役者の年齢はわかっている、それなのにそこに十代の
純な田舎娘をきちんと感じ取ることができる。
役者と客の妙な共犯意識こそが、歌舞伎の醍醐味なのかもしれない。
もちろん、そこには役者の圧倒的な「芸の力」がなければならないのだが。