No.473の記事

ぎすぎすした世の中

冬のオリンピックたけなわ。スノーボードの国母選手が「服装問題」で大批判を浴びている。テレビを見た一般国民が、しかるべきところへクレームをつけたとか。

世知辛い世の中だ。彼の服装がいいとか悪いとか言う以前に、そんなことでいちいち批判をする人の気持ちがわからない。マスコミも、そんな幼稚な意見は放っておけばいい。協会側もわざわざ会見など開く必要があるのだろうか。

もう時効だと思うけれど、高校時代、シャツのポケットにたばこを入れている生徒がいた。教師は、「見えるところに入れるな。学校内で吸い殻を捨てるな」と言った。たばこを吸ってはいけないとは言わない。つまり、問題を起こして損をするのは自分だぞ、何かやるならうまいこと隠せ、と教えてくれたのだろう。

「大人になる」というのは、そういうことだと思う。自分の主義主張を貫くのは悪いことではないけれど、一般的にそれが「通るか通らないか」については、敏感であったほうがいい。世渡りするというのは、どこかで妥協していくことだ、ということを国母選手に教えてやれる大人はいなかったのだろうか。

つまりは、自分と世間のバランスの問題なのだろうと思う。

ただ世間の「一般常識をもつ大人たち」も、些細なことで目くじらを立てない寛容さをもってもいいのではないだろうか。